スーパーボイスに興味のある方には、見飽きた映像だと思いますが。
「ポール・ポッツさんは、小学生の頃いじめられっ子だったそうです。嫌なことがあったら、いつも歌を歌っていました。自信がないあなたも意外な才能があるかもしれません。」
というコメントがつけられている動画だが、、、一言だけ。
歌に関しても、そのほかに関しても才能なんてない。遺伝なんてものも、自分の夢をあきらめるための方便で使うのならまとめて忘れた方がよい。
エフィカシーを高めるのは自分でやることだ。
「歌手は特別な発声器官を持っているわけではない。誰もが完璧な発声器官を既に持っている。」とは、有名な研究著書「うたうこと」のフレデリック=フースラー氏。
長い間ブラックボックスとされてきた、「声帯」を中心とする「発声器官」とその「発声するメカニズム」を生きた解剖学の見地から解き明かした偉人である。しかし、今日の少なくとも日本においては、フースラーが解いた声楽界の間違った常識についてしる者は非常に少ないことは確かだ。
何の利権すら狙っている訳でもなさそうな、ボイストレーナーや歌手たちがただ漫然と無邪気な無知をさらけ出した著書を本屋に並べている。ボーカルやミュージカルスターを目指す方々は是非フレデリック=フースラーの「うたうこと」は読まれたい。
フースラーの孫弟子と自称される方が「満足な発声器官を作るためには最低でも6年~8年の歳月が必要」と書いた記事を読んだ記憶があるが、スーパーボイスはこれを早めることは出来るが、残念ながらあなたの音楽に対するモチベーションまでは担当していない。
音楽に関して言うのならば、王侯貴族へ捧げるために徹底的に抽象度をあげて洗練されたオペラやクラッシックを寝ても覚めても聴きまくるべきだろう。もちろん、「うたうこと」を平行して読みながらである。
それも、イヤホンと別のBGMとあわせていくつかの曲を、並列的に聴きこむくらいが丁度よいだろう。無意識へゲシュタルトをまとめさせる加速学習である。
スーパーボイスという気功技術があなたに対して出来ることはこの作業に、無意識を意識に上げるお手伝いと、無意識でしかコントロールすることが難しい発声器官にまつわる余計な力を脱力させること、そして音楽という抽象度の高い情報空間にゲシュタルトを形成するための特別な書き込み用の楽譜を予め用意することだ。もちろん、メンタル面のプログラムも入っている。
20数年前北米のビジネススクールで履修したマーケティングの教科書には、まず一番初めに、こう書いてあった。”Location, location, location!”ビジネスにおいて何より大切なのは立地(ロケーション)であるということだ。何を差し置いてもまず、location!なのだ。
歌うこと以前に、聴いて、聴いて、聴きまくる。
ブラックボックスの中のイメージが意識に上がってくるまで続けること。
これが、歌や楽器の上達のコツです。