再び「動的平衡」

紹介していただき、そのタイトルの意味すら分からずに吸い込まれるように本屋で一気に1時間で読みきった生物学者の福岡伸一先生の「動的平衡」。
すばらしい本に出会えた。
「動的平衡」とは、生命活動そのものであり、宇宙の仕組みそのものであり、縁起のネットワークの言い換えであるといえる。
曰く、私たちの体の細胞は分子レベルで常に分解されて、消化吸収された新しい分子と交換されている。脳や心臓の細胞に到るまでつねに数ヶ月前の自分とは全く別の物に入れ替わっているのだ。
昨日の自分は別人である。いやむしろ、今日の自分は別人というべきか。
これは、生命としての私たちそれぞれだけではない。全ての関係性という関係性に言えること。全ての現象を表している。
自分と思っていたもの。自分のものだと思っていたものは一瞬のものでしかなく、実は自分でも自分のものでもなく、逆に自分とは環境そのものであることに気がつく。
わたしの宇宙があり、あなたの宇宙があり、そして一人ひとりの宇宙があって、、、共有しながらそれぞれがゴールを持ちながら、あるいはさ迷いながら縁起を形成している。
その一瞬一瞬の連続が縁起の世界であり、動的平衡なのだ。つまり、「間断なく流れながら、精妙なバランスを保つもの。絶え間なく壊すこと以外に、損なわれないようにする方法はない。」
それが生命なら、私はそのような在り方と振舞い方を選び取るべきだろう。
動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか/福岡 伸一

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